68歳ひとり旅・3月下旬の千畳敷カールへ 残雪3mと富士山、マジックアワーに息をのんだ 1泊2日の記録

3月下旬の千畳敷カールに、68歳ひとりで行ってきました。ロープウェイを降りた瞬間、目の前に広がった残雪3mの白銀の世界、思わず声が出てしまいました。そして翌朝4時半に起きて見たマジックアワーと富士山のシルエット。あの景色は、一生忘れられないと思います。

 この記事でわかること

  • 春の千畳敷カールの見頃と積雪の実際
  • 68歳ひとり旅でも安心なアクセス方法(高速バス+電車)
  • 千畳敷ホテルに泊まるからこそ体験できること
  • 駒ヶ根の立ち寄りスポット(明治亭・光前寺)
  • マジックアワーと富士山を見るためのコツ

旅のきっかけ

千畳敷カールの名前はずっと知っていました。でも「2,600mの山頂」と聞くと、どこか自分には遠い場所のように感じていました。68歳のひとり旅で、果たして行けるものだろうか——そんな不安が長い間、足を遠ざけていました。

けれど調べてみると、ロープウェイで一気に山頂まで上がれるとわかった。「これなら行ける」。春の残雪が残る季節に、思い切って出発することにしました。


1日目|ハプニングから始まった駒ヶ根の旅

新宿から高速バスで出発

朝一番の高速バスで新宿を出発。景色を眺めながら車窓越しに山々が近づいてくると、気持ちが高まってきました。

ところがバスを降りてみると、なんと一駅手前の伊那駅でした。予約を間違えていたのです。思わず笑ってしまいました。在来線でひと駅、駒ヶ根駅へ向かいます。こんなハプニングも、ひとり旅の醍醐味のひとつかもしれません。

明治亭でソースカツ丼

春の千畳敷カール(長野県・標高2,612m)。残雪が3mほど残る白銀の世界が広がっていました。

駒ヶ根に着いてまず向かったのは、ソースカツ丼の名店「明治亭」。創業70年を超える老舗で、駒ヶ根名物といえばここ、と言われるお店です。

分厚いカツに、長年受け継がれてきた秘伝のソースがたっぷり。ご飯の上にカツが豪快に並ぶ姿は、見ているだけでお腹が鳴ります。一口食べた瞬間、「来てよかった」と確信しました。旅の最初にこれほどの一品に出会えるとは。

光前寺の枝垂れ桜——蕾の美しさ

光前寺の枝垂れ桜。訪れた時はまだ蕾でしたが、びっしりとついた蕾がかえって美しく、来年また来ようと思いました。

お腹を満たした後は、徒歩で光前寺へ。駒ヶ根を代表する古刹で、立派な杉並木が参道に続いています。

春の光前寺といえば枝垂れ桜が有名ですが、私が訪れた時はまだ蕾でした。「少し早かったかな」と思いながら眺めていると蕾がびっしりとついた枝が、それはそれで美しい。「また来年、満開を見に来よう」と心に誓いました。蕾の桜には蕾の桜の風情があります。

菅の台バスセンターへ、いよいよ山頂へ

光前寺から歩いて菅の台バスセンターへ。ここからバスでしらび平へ向かい、駒ヶ岳ロープウェイに乗り換えます。全長2,333m、高低差950mを一気に上昇、窓の外の景色がどんどん変わっていきます。

ロープウェイを降りた瞬間、目の前に広がった景色。春なのに残雪3m——下界とはまったく違う世界がそこにありました。

千畳敷カール|残雪3mの別世界

ロープウェイを降りた瞬間、冷たく澄んだ空気が顔に当たりました。そして目の前に広がったのは一面の白銀の世界。残雪はなんと3m。春に来たはずなのに、そこは完全な雪山でした。

標高2,612m。下界では想像もできない、圧倒的なスケールのカール地形。すり鉢状に広がる斜面を雪が覆い、遠くには険しい稜線が空に突き刺さっています。

「ここまで来られた」という満足感と、自然の大きさへの畏敬の念が、同時に胸に押し寄せてきました。


千畳敷ホテル宿泊|夕焼けと山のシルエット

この旅の最大の贅沢が、ロープウェイ山頂駅舎内にある千畳敷ホテルへの宿泊です。

夕方、窓の外を見ると空がオレンジに染まり始め、山々のシルエットが浮かび上がっていました。雲ひとつない夕焼け。刻一刻と色が変わっていく空。68歳のひとりで、この景色をひとり占めしている贅沢さ。

しばらく、ただ眺めていました。言葉は要らない、そんな時間でした。


千畳敷ホテルの窓から見た夕焼け。山のシルエットが浮かび上がり、刻一刻と空の色が変わっていきました。山頂に泊まったからこそ出会えた景色です。

2日目|4時半起き、マジックアワーと富士山

暗いうちから外へ

翌朝4時半、アラームより先に目が覚めました。カーテンを開けると空は濃い藍色。星がまだ見えます。

急いで防寒着を着込んで外へ出ました。気温は氷点下。息が白く、足元の雪がきしきしと鳴ります。

朝4時半、千畳敷カールから見たマジックアワー。稜線の向こうに富士山のシルエットが浮かび上がった瞬間、思わず声が出ました。

忘れられないマジックアワー

やがて東の稜線がほんのりと明るくなり始めました。ピンク、オレンジ、金色の空が次々と色を変えていきます。これがマジックアワー。日の出の直前、空が最も美しく輝く時間です。

そして——。

雲の向こうに、富士山のシルエットが見えました。

あの三角形の、どこか見間違えようのない姿。2,600mの山頂から見る富士山は、ふだんとは違う存在感がありました。思わず「あ、富士山だ」と声が出ました。誰もいない山頂で、ひとり声を上げてしまいました。

68歳で来て、本当によかった。この瞬間のために、旅をしているのかもしれない、そんなことを思いました。

雲海の先にうっすらと富士山のシルエットが浮かび上がりました。標高2,612mの山頂でしか出会えない、68歳ひとり旅最高の瞬間です。
駒ヶ岳ロープウェイからの眺め。高度が上がるにつれて景色がどんどん変わり、山の世界に入っていく感覚がありました。

2日目午後|高遠の桜、春の締めくくり

高遠城址公園の桜。光前寺ではまだ蕾だった桜が、ここでは満開。同じ春なのに山の上と下でこんなに違う——旅の不思議を感じた瞬間でした。

下山後は、高遠城址公園へ。日本三大桜の名所として知られる高遠の桜は、ちょうど満開でした。

光前寺では蕾だった桜が、ここでは満開。同じ春なのに、山の上と下では季節がまるで違う。この対比が、今回の旅でもっとも印象的なことのひとつになりました。

桜のトンネルをゆっくりと歩きながら、2日間の旅を振り返りました。ハプニングもあった、感動もあった、富士山まで見えた。68歳のひとり旅、まだまだ続けられそうです。


よくある質問

Q. 68歳ひとりでも千畳敷カールは楽しめますか?                        A. 十分楽しめます。ロープウェイで山頂まで上がれるので、登山の必要がありません。防寒対策さえしっかりすれば、体力に不安のある方にもおすすめです。

Q. 春はいつ頃が見頃ですか?                                 A. 残雪が残る4〜6月がおすすめです。雪と青空のコントラストが美しく、「春なのに雪山」という非日常感が楽しめます。

Q. 千畳敷ホテルはひとりでも泊まれますか?                          A. 問題なく泊まれます。山頂の宿泊は夕焼けや朝焼けを堪能できるという点で、日帰りとはまったく違う体験ができます。特に早朝のマジックアワーは、泊まった人だけの特権です。

Q. アクセスはどうすればよいですか?                                                        A. 新宿から高速バスで駒ヶ根へ(約3時間)。菅の台バスセンターからバスでしらび平へ、そして駒ヶ岳ロープウェイに乗り換えます。車がなくても公共交通機関だけで行けるのが魅力です。


まとめ

68歳のひとり旅で、千畳敷カールの絶景はちゃんと届きました。残雪3m、夕焼けのシルエット、そして4時半に起きて見た富士山どれも、行かなければ出会えなかった景色です。

光前寺の蕾が来年咲く頃、また来てみたいとも思っています。次の旅の計画が、もう頭の中で始まっています。


アクセスメモ:新宿 → 高速バス → 駒ヶ根IC → 菅の台バスセンター → バス → しらび平 → 駒ヶ岳ロープウェイ → 千畳敷駅(約2,612m)

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